偽名や偽装退社は当たり前の世界
「注意すべき営業マンの動向」 項目
2.「偽名や偽装退社は当たり前の世界」![]()
書いた人

行政書士明和事務所
行政書士 吉田 重信
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営業マンに名刺を渡されたりした時、
一般的にはそこに書かれている情報をそのまま受け入れてしまいがちだ。
特に問題が起こらなかったのであれば、それでもいい。
実際のサービスや契約は会社相手の話になるから、
別に末端の営業社員の身元まで抑えておく必要はないだろう。
実害がなければ、真偽性なんてものは特に気にしなくたっていいんだよ。
問題は、なにかが起こってしまった時なんだ。
大抵、こういったケースではある程度時間が経ってしまっている。
顧客等の相手側からしたら改めて会社と話をする場合、
当時、案件に関与していて状況を知っている営業マンの存在は重要だ。
事実関係の齟齬や言った言ってない等の水掛け論を回避するためにも、
当事者には全員同席してもらわなければならない。
ところがこういった場合、会社に問い合わせをしても、
「○○は退社しました」、「そんな社員はいません」などと言われてしまうことが少なくない。
そこを皮切りにして、話自体を打ち切られてしまう。
こうなると、被害者側はもう訴訟等の手段でどうにかするしかない。
しかし、それはハードルが高いものであること、
そしてそれを踏まえた上でそこまでやってはこられないだろうこと。
そういうことを営業側も会社側も、初めから把握済みなわけ。

要するにこれは、そういった背景を初めから算段した上での偽装工作。
営業を足掛かりにしてくるのであれば、
その営業との接点を断ってしまえばいいという会社側の対処だ。
会社からしたら、真偽性の確認なんてさせてもメリットがないからね。
もう知りません、と言ってしまった方が遥かに楽なんだわ。
だから営業マンの所属や個人情報なんてものは、
そのためにいくらでも使い捨てできるようにしてあるわけ。
名前が偽名であったりする場合もあれば、
そもそもの会社の所属が違っているような場合も往々にしてある。
また、会社と共にグルである場合もあるけれど、
営業マンの個人プレイであったりするケースもあるから注意が必要だ。
昔、ちょっとした個人間トラブルで「自分は〇ナセの人間」と名刺を渡してきた者がいたが、
あとあとになって会社に確認してみると、そんな社員は初めから存在しないそうだ。
もちろん鵜呑みにしたつもりもないが、
あれだけ有名な会社がチンピラ稼業をバックアップしているとは考えにくい。
受付対応の真摯さからしても、本当になにも把握していない可能性が高かったろう。
名刺に書かれていた部署まで確認してくれたけれど、
そもそも、そういった部署自体が社内に存在しないってんだからさ。
要は、こういった名刺はトラブル用として、
悪質営業の世界では使い分けられているということなんだよね。
有名な会社名を提示すれば相手も安心させられるし、
会社の信用だって使うことができる。
所謂、カタリというヤツだ。
証拠を押さえて怒鳴り込んだとしても、
そんなのは本当の身元さえ押さえられていなければ知らん顔。
当事者が気付いて追いかけようとした頃には、風と共にピューだ。
だから営業の伝えてくる個人の情報は、
初めから今この場限りだけのものとでも思っておくんだな。
営業からしたら、電話さえつながればそれでいい立場なんだからさ。
営業は案件が済んだ相手となんて、改めて連絡なんかとりたくないんだよ。
仮に提示された情報が偽装でなかったとしても、これは同じこと。
こちらからアンカーをつけられるような情報ではないと、肝に銘じておくことだ。