伝聞であれば言いたい放題
「注意すべき営業マンの動向」 項目
3.「見えないところでは言いたい放題」![]()
書いた人

行政書士明和事務所
行政書士 吉田 重信
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営業という立場の性質上、人と人との間を取り持つ機会は往々にしてある。
所謂、仲介と言われるのがこの類で、
不動産業界なんかにおいては当たり前のように行われている営業活動の一環だ。
しかし、実はこういった場における立ち回りが、
悪質営業にとっては恰好のエサ場になっているような側面もある。
人との間を取り持つということは、
裏を返せば当事者同士に直接的に話をさせないということでもあるからな。
それゆえに、当事者達の動向は営業の言論に左右されることになる。
要は、双方に見えていない事実に関しては営業の隠し放題、言い放題なわけ。
こういった場の性質を利用して、
当事者双方を自分の思い通りに動かそうと画策する悪質営業もいる。
当事者からしたら営業の言論の真偽性なんて確認しようがないし、
もっと言うと、確認する意味がない。
この手の場において重要視されるのは、情報の真偽性などではなく合意性だからだ。
変な話と思うかもしれないけれど、
互いに利益性のみを考慮している市場っていうのはそういうものなんだよ。
これは事業者、消費者お互いにな。
一方が出した条件を、もう一方が呑めるかどうかだけの話なわけだからさ。
だから例えば一方が相場で請求していたとしても、
営業が勝手にそれに上乗せした条件でその相手方に話を持っていったりすることもある。
そのまま相手が呑んでくれれば、ラッキーなことこの上ないからね。
もし条件が折り合わないようであれば「先方に報告しておきます」と伝えた上で、
後日、基の正規の請求をし直せばいい。
もちろんこれは方便であって、実際に営業は請求者側に報告などしない。
報告をしに一旦、戻ったフリを見せた上で、
当初、請求者が提示した正規の請求を改めて提示してみせているだけのこと。
つまり、最初の上乗せ請求の話は初めからなかったことにしてしまうわけだ。
これは賃貸物件の退去における原状回復なんかでよく起こる事例だね。
大家側が正規の請求を営業に伝えても、
それをそのまま借主に伝えてもらえるとは限らないわけ。
大家は営業がそんなことをしているなどつゆ知らずだけれど、
「大家がそう言ってます」という体で話をされてしまっている以上、矢面に立たされることになる。
借主はいいかげんな請求をしたことにされている大家を恨むことはあっても、
わざわざそれを伝えてきただけの立場の営業に矛先を向けたりすることはない。
いずれにしても営業にヘイトは向かないから、ノーリスクでやりたい放題なわけ。
実際問題として、上乗せ請求された分を争われたりする事例は多くない以上、
こういう手口による吹っ掛けは思っている以上に身近に潜んでいると思っておいた方がいい。
当事者達が伝聞でしか状況を知り得ない以上、
いくらでも営業の方で都合の良い話を作ってしまうことができるんだよ。
当然、上乗せ請求して余分に支払われた分が請求者に渡されることはないし、
支払者も自分が余分に請求されていることなど知る由もない。
あくまでも当事者達は舞台装置として利用されているだけで、
益を得ることはないというわけだ。
え?
その余分に支払われた分を営業はどうしているのかって?
ポッケに突っ込むに決まってんだろ。
