時間を区切って焦らせる
「悪質営業マンの手口」 項目
3.「時間を区切って焦らせる」![]()
書いた人

行政書士明和事務所
行政書士 吉田 重信
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権威性と利益を見せつけることによってターゲットの興味を引きつけた営業は、
その上で時間を区切って決断を迫ってくるだろう。
人は現物を見せつけられた上で焦らされると、
必然的に利益のある方に転がっていく性質のある生き物でもある。
これは人のそういった弱い面を利用した「詰め」と言われている行為で、
営業活動の一環としてよく利用されている。
「今から30分以内限定!」とか、
「午前中までに決めれば今日中に仕上がる」とか、
皆、必ずどこかで聞いているフレーズだろう。
こういった行為は条件にもよるけれど、
現状、特に法律上で規制されているわけでもないからやりたい放題だ。
今のところは、ね。
このような「詰め」を、傍から見ていてもなにも感じないのは当然。
前述した権威性や利益、そして詰めに関しても、
ターゲットを定めた上でそれに合わせた対応に過ぎないものだからね。
営業もそれがわかっているから、
「詰め」の段階で第三者に同席されたりするのを嫌がるわけ。
単に時間の区切りだけを見せつけられただけでは、人は動かない。
じゃあ、自分の望んでいる現物を目の前に用意されたら、どうだ。
単純な利益だけに限らない。
今、困っていることの解決、例えば借金の返済とか、取引関係の継続とか。
その上で、目の前で利益がどんどん減らされていったら、どうか。
借金ならば返済額棒引き分、取引関係ならば、価格や数等の条件。
それが時間と共に減らされていったら、どう考える。
こういうのはな、当事者として詰められなければわからないんだよ。
そして当事者として詰められた際、それに抗える者は極少数だ。
端的に言ってしまうと、これは見せつけた利益に対する脅迫だからね。
要は前述した権威性や利益は、
脅迫ネタに使うために用意しただけのものに過ぎないわけ。

偶像された利益に対する「それがこのままだと棄損されるぞ」という詰めによって、
人は営業という脅迫者の思い描いた通りに転がされてゆく。
このプロセスを、営業達は顧客を「詰める」という手法として正当化しているわけ。
でも、やっていることは脅迫となんら変わりはない。
権威性と利益、そして「詰め」。
営業の基本的なスタイルは、この三様のプロセスをもって運用されている。
そういう手法で同意を迫る行為が法の規制から漏れていることには疑問を感じるが、
これに関しては将来的な法改正に期待するところだ。
いずれにしても、こういった手法を使う営業の話をまともに聞いてはいけない。
引っ掛け手法を使っているということはカタにハメにきているということだから、
その流れに乗って得をしたりすることは決してない。
利益を人に施して回るような良い人が、営業なんて世界にいるわけがないだろう。